キューバ音楽は、まさにコロンブス大航海時代の賜物と言えるでしょう。
そもそもキューバには、アメリカ大陸と同様に先住民族が生活していましたが
1511年のベラスケスによるスペイン人入植以降、先住民族の絶滅、それに伴う
アフリカ人奴隷の使役という歴史があったのです。
そして、そういった歴史的社会状勢と同様に、スペイン音楽とアフリカ音楽との
必然的とも思えるほどの部分的な酷似性も相まって混血化が進み、今日のキューバ音楽が生まれたのです。そのキューバ音楽の代表的なスタイルが『SON』(ソン)といえるでしょう。
ソンの発祥は、キューバ東部、かつての首都サンティアゴデクーバ。
編成はギター、トレス、ベース、ボンゴ、マラカス、クラベスという6人編成。
曲は、前半を『ギア』、後半を『モントゥーノ』という2部構成になっています。
前半のギアはスペイン音楽独特の叙情的なメロディー、後半のモントゥーノは
アフリカをルーツとする躍動的な打楽器のアンサンブルと歌のコール&レスポンス
というふうに、いやがおうにも聴く人の心を揺さぶる構成になっています。
この実に魅力的なキューバの伝統音楽を、日本人である私達のフィルターを通して
どう表現していくべきか、というのが、『クラーベイガラパゴ』の指針とするところであります。
by yambu |